ミツバチは、植物の新芽や蕾、さらに樹皮から分泌される樹脂を集め、この樹脂は巣に持ち帰られたら、はちから分泌されるものと混ぜ合わせられ、巣材として利用されています。
そのためミツバチの巣箱では、この物質を使った粘着性のある固形物がよく見られます。
これが、いわゆるプロポリスと呼ばれるものです。
もし巣のために利用するだけなら、みつばちが分泌する蜜蝋だけで十分なようにも思われますが、なぜプロポリスをわざわざ作る必要があるのでしょうか。
この謎を解くためには、実は、ミツバチの集める樹脂について知る必要があります。
生活習慣病などの病気の発生から、健康志向が強い現代において、非常に注目されている物質です。
これは、みつばちがローズマリーに似た、低木種になるハーブであるバッカスやユーカリなどといった新芽を採取し、ミツバチの分泌する唾液と酸素を合わせることで生成される、松ヤニのような固形物質です。
この物質には、クマル酸やアルテピリンCを始めとした有機酸や、ケルセチンなどのフラボノイド類、さらにビタミン類やミネラル類など、非常に多くの健康有効成分が含まれています。
さて、プロポリスは具体的にミツバチの世界では、どのような利用法があるのでしょうか。
プロポリスは、巣の外壁や隙間に塗られ、ウイルスやバクテリアなどの侵入を防ぎ、巣を守るため、防腐剤代わりに使われます。
また巣の中で死んだ昆虫の腐敗を防ぐ、にも使われてるようでした。
防腐剤といえば、古代エジプトにおいて王族のミイラの腐敗防止のためにも使用されていたという話壁画に残っています。
プロポリスの語源というのは、ギリシャ語だといわれており、プロ、つまり守る、防ぐと言った意味と、ポリス、都市を合わせた造語です。
ここで都市が示しているのはみつばちの巣であり、このみつばちの巣を守るためのものという意味で、名づけられているのでしょう。
このように、みつばちにとっての生存策として、プロポリスが重要であるということが分かります。